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はじめに

3D CADを使って、3Dモデルを作り複雑な形状や詳細が見えるようにすることができ、3Dプリンタは3Dモデルを物理的に再現することができる装置である。 これは非常に革新的であり、製品開発のための手助けとなるだろう。

この文書は3D CADを使ったモデリング、3Dプリンターでの事例の紹介等を通じて、活用案をガイドとしてまとめたものである。 次のテーマをもとに説明する。

テーマ

  • 船舶
  • 航空機
  • ドックゲート

またAIを使った設計支援プラットホームの紹介をする。AIの進歩はめざましく設計の成果を向上させるために、うまく活用すべきである。

3Dモデリングがこれからの人であっても、この文書を通じて、概ね作業の流れ、必要なツール等、何が必要かをひと通り知ることができると思う。

3D CADシステム概要

次の図のような3D CADシステムをもとに説明を行う。OSS(Open Source Software)を使っている。 導入しやすく、試してみやすいようにしている。各ツールのセットアップや使用方法は説明しない。 個人の趣味で行なうか、仕事で使うか、研究で使うか等で最適なツール選定は必要となってくるし、作業の流れも変わってくるかも知れない。

概要図 3D CADシステム概要

Warning

このシステムは、本番(プロダクション)向けを想定していない。本番(プロダクション)に適用する場合は有償ソフトウェア・サポートを検討するのがよい。

  • 📝 使用OSSの一覧とバージョン情報
種類 ソフトウェア名 バージョン
2D CAD LibreCAD 2.2.0
ベクター画像エディター Inkscape 1.4.3
3D CAD FreeCAD 1.1.1
汎用インタープリター Python 3.13.14

3Dプリンターの選定ついて

自身でつくった3Dモデルが、正しく出力される3Dプリンターの選定する。3Dプリンターの選定についてのアドバイスはない。今のところ、どのような観点で選ぶか調査中である。

3D CADで造ったモデルを3D プリンターオペレータに渡すとき、齟齬なく設計者の意図が伝わるかどうか、現在の段階では、実際にやってみて経験を積むことになると考えている。

Warning

本書の3D CADシステムを使って、3D プリンターが正しい出力をするとは限らない。

3Dモデリングワークフロー

3Dモデリングワークフローは次のチャートのようになる。実際にはある程度、概念設計等を行ってモデリングがはじまるが、早速、製図作業からはじめる。 ある程度、目に見える形になってから、さらに設計・検証し、モデリングに反映を何度も繰り返すフロートなる。

graph TD
  A[1.スケッチ・ドラフト作成] --> B[2. 断面形状作成];
  B --> C[3. 3D化前処理];
  C --> D[4. 3Dモデリング];
  D --> E[5. 設計・検証];
  E --> F[6. 3Dプリント];
  B --> A;
  C --> A;
  D --> A;
  E --> A;
  F --> A;
  C --> B;
  D --> B;
  E --> B;
  F --> B;
  D --> C;
  E --> C;
  F --> C;
  E --> D;
  F --> E;

Note

チャートは同時進行型設計プロセスやスパイラル型設計のイメージで描いている。各プロセスは順不同に繰り返し行われる。

Warning

本書のスコープ外であるが、オペレーティングマニュアルや設置・運搬の検討、部品表の整理、コストの積算、法基準・規制への適合等を考慮した上で設計完了となる。

各プロセスの詳細をまとめた。

(1) スケッチ・ドラフト作成

紙と鉛筆で行う。CADを使う際も、手元にスケッチ・ドラフトがあれば作業効率がよい。

(2) 断面形状作成

3Dモデルを作成する前にx-y座標系で断面形状を作成する。2D CADを使って行う。

Note

2D CADはLibreCADでDXF形式で製図する。「ポリライン」を使って製図する運用を行うと効率がよい。「ポリライン」で閉じた面を作っておくと3D CADでも閉じた面として取り込みされる。

(3) 3D化前処理

  • python(ezdxf)でDXFにZ座標をあたえる。各断面にz座標を与えることで立体化する。
  • スプライン等、なめらかな曲線は、InkscapeでSVG形式にして閉じた面はPATHとして編集し、FreeCADに取り込む

Note

レイヤー名に「z-1200」「z-6000」等、寸法を入れる運用を前提とした、pythonスクリプトを実行する。pythonが使えない場合はFreeCADでもできる。

(4) 3Dモデリング

主な操作は次のものを想定している。

  • Extrude(押出し)
  • Loft
  • Boolean演算

FreeCADの機能を使えば、LibreCADやInkScapeを使う必要もなくなる。それをしないのは、従来2D CADに慣れてきた人を対象にしていることがひとつの理由である。 またもうひとつの理由は、本書ではOSSを使っているが、有償ソフトウェア等への代替えを想定しているため、ツールを役割分担させている。

(5) 設計・検証

このプロセスは、システム外で行う。本書でのスコープ外であるが、説明のため一部言及することがある。

(6) 3Dプリント

このプロセスは、システム外で行う。特定の3Dプリント装置をターゲットとしていない。造った3Dモデルが正しくプリントする方法については、本書では扱っていない。

設計支援AI

具体的なAIの活用方法は、ここでは紹介しないが、AIを有効活用するためのデータの蓄積を行う指針として、3Dモデリングをはじめる前に「設計支援AI」について目を通しておくとよい。

「設計支援AI」は、プロンプトを入力して、3Dモデルを作るようなものではない。 設計知識をテキストとして記入し、あいまい検索やセマンティック検索等を行い、効率的に情報を参照する仕組みである。

3Dモデリングの途中でも色々な設計に関する色々な情報が手に入るので、その都度AIに蓄積していくとよい。